2月24日(金)に『桜花裁き』でデビューするIRODORIは、美少女ゲーム業界では珍しい、山形県在住のブランド。しかもデビュー作からシンプルなAVGではなく、調査パートや奉行パートといった謎解き要素も作りこんでおり、ゲーム性にこだわりを見せるブランドとなっている。プロデューサー&原画の榊水夏氏に設立の経緯や特徴、またデビュー作の内容や見どころについて取材を行った。

桜花裁き

発売日:2017年2月24日
ジャンル:奉行活劇ADV
原画:宍戸くろう、榊水夏、ささくまきょうた、腹ぺ娘(SD原画)
シナリオ:海水塩湖、他


嘘を暴いて悪を裁く奉行活劇

北町・南町奉行所の混雑緩和のため、新設された中町奉行所。そこに新米奉行として着任した大岡志明のもとへ、街を騒然とさせた事件の容疑者・河合小梅が連行されてくる。罪状を見るに死罪を免れない小梅だったが、志明は事件の不審点や彼女の態度から犯人ではないと確信し、事件を捜査することになる……。プレイヤーは志明となって、幼馴染の平賀理夢や北町奉行所から派遣された遠山桜といった仲間とともに事件に挑む。物語を読み進める「AVGパート」と事件を捜査していく「調査パート」、犯人を推理し真相をあばく「奉行パート」によって構成された、やり応え十分のAVGだ。
 

じっくりと腰を据えて遊ぶ美少女ゲーム


―――2月24日(金)発売される『桜花裁き』でデビューするIRODORI。最初にブランド設立の経緯や、ブランド名の由来について、プロデューサーでもある榊水夏氏に語っていただいた。

元々本職として美少女ゲームのデザインに関わる仕事を長くやらせていただいていたのですが、おかげさまで良い作品のお手伝いを多数手がけさせて頂いている内に、自分たちでも作品を作りたくなり、設立に至りました。ブランド名は、色とりどりの多彩な作品を出せて行ければ、という意味を込めまして「彩」からIRODORIに。あと、弊社には現在インコが在駐しておりまして、ブランドロゴマークが鳥になったのはそれが理由ですね。

―――ブランドの特徴については次のように述べる。

普通のアドベンチャーにひと味なにか面白い要素を加えた、ゲーム性のあるゲームを作ろうと思っております。とはいえ、あまり面倒な感じにはならず、あくまでもお話を進める上でのいい演出のひとつとして、なにかしら独自性を打ち出せて行いければ、という感じですね。

―――『桜花裁き』はその特徴通り、物語を読み進める「AVGパート」だけでなく、事件を捜査していく「調査パート」、そして犯人を推理し真相をあばく「奉行パート」によって構成される。

遊べてエロい美少女ゲームを作ろう!と思いまして、一風変わったゲームを作りたいな、とゲーム性のある作品を作ろうと考えました。

長い開発期間を経て構築したシステム


―――謎を解いていくのがメインだが、ヒロインとのちょっとした遊び要素も用意されている。

捜査パートでヒロイン達の部屋を探索することができるんです。話を進めていくと、ヒロイン達の部屋がどんどん変化していくんですよ。ぜひ話を進めつつ、彼女達の部屋を探索してほしいですね。ヒロイン達の部屋を探索することでさらに魅力的な彼女達の一面がみられるかもしれませんよ(笑)。

―――ゲーム性のある作品作りは難しいと推測されるが、その点について伺ったところ「数年はかかりました」とのこと。

デザインの仕事をやりながら並行して開発していたこともあり、かなりの年月をかけることになりました。和風を感じられるゲームとは一体どんなゲームだろう?というのから始まり、選択肢をバッサバッサ斬っていくようなゲームが作りたい→じゃあ選択肢をどんなデザインでどういった仕様で斬っている感を出すか?メッセージウインドウも縦書きにすることでイベントCGや立ち絵を遮ることなく、さらに和風の雰囲気を出せるのではないか……。ストレスを感じずに台詞を読めるメッセージウインドウの文字数は何文字が適正かなど、それこそ根本的な部分から構築し始めました。奉行モードに関しても異論・一騎討ちの仕様をかなり変更しまくり、最終形にするまでプロト版完成から考えるとゲーム性の部分だけで1年はかかったかと思います。それに並行して原画作業もやっていたのですが、膨大な証拠品やイベントCGの数、差分の多いキャラクターの数など含めるとデザインの仕事をやりながらということもあったのですが、開発自体は2年以上かかったことになりますね。ゲーム性のあるゲーム開発は大変だな、と身をもって感じました(苦笑)。

―――それまでの本業であったデザインの仕事と並行しつつとはいえ、2年以上との開発期間の長さは驚かされる。ゲーム性の高い内容から、むしろコンシューマゲームを目指しているのではとも伺ったが、その点は異なるようだ。

むしろ楽しく遊べる美少女ゲームを目指して制作していたので、コンシューマは意識していませんでした。本編から分岐して入るエロシーンなどもありますので、そちらを意識していたら作れない仕様になっております。エロシーンのシーン数なども満足していただける数があると思いますので、そこは期待してください。

こだわりの演出やFM音源は体験版でも


―――また、グラフィックでは筆タッチで描かれた独特のCGにも注目したい。

元々戦闘シーンは既存のよくあるアクションシーンが一枚はいって光ったりするオーソドックスな形でした。ただ、実際に組み込んでみて、なんか違うなと。自分たち独自の、もっと和風っぽさを前面に押し出すにはどうすればいいのかと色々考えた結果、クリックごとにどんどん場面が展開していくような、現在の勢いのある和風剣劇シーン演出になりました。これに関しては見所のひとつとしていれておりますので、是非ゲーム内でお楽しみ頂ければと思います!

―――なお、このグラフィックは体験版のプレイ動画でもその一部を見ることができる。そして予約特典もFM音源化パッチという、ちょっと変わったコンテンツが用意されている。

今回音楽をお願いした方がFM音源を得意とされている方で、他と違った特典をつけたいと思っていたところ、FM音源のサントラとパッチはどうだろうかと提案があり、今回つけることにしました。一風変わった感じの、昔懐かしい感覚をゲーム内で感じることの出来る音源となっていますので、ぜひ予約して体験してほしいですね。

―――こちらも、現在配布中の体験版では特別にFM音源を解放した状態となっているため、その雰囲気が楽しめるようになっている。最後に本作の見どころ、セールスポイントについて語っていただいた。

総イベントCG200枚以上の豊富なCG枚数、HCGもしっかり45枚以上、さらにBGMも40曲以上と盛りだくさんのボリュームで、飽きさせない演出をゲーム中にいろいろと入れております。よろしくお願いいたします。