今月から新ブランド紹介をこの「ピックアップ」のコーナーでも定期的に紹介していく。一回目は今夏発表されたライアーソフトとシルキーズプラス合同制作に合わせ設立された「Azurite」。2016年12月22日(木)に『シンソウノイズ ~受信探偵の事件簿~』の発売が予定されている。この合同制作を進めたDMMのプロデューサー・トクナガ氏に取材を行い、ブランド設立の経緯や作品内容について紹介していく。

シンソウノイズ ~受信探偵の事件簿~

発売日:2016年12月22日   ジャンル:ミステリー・サスペンスADV
原画:はましま薫夫   シナリオ:海原望、禾刀郷 茗荷谷甚


ライアーソフト×シルキーズプラス合同制作の新プロジェクト

静乃宮学園に入学した橘一真は、他人の心象を受信する能力を持っていた。ただ能力といっても「実際はどの意識が誰のものかわからない」「対象が複数いると入り混じって受信する」という中途半端なもの。生まれながらの能力とはいえ制御はできず、振り回されることもしばしば。それでも日々訓練し、人並みに生活は送っていた。学園では1年を通じて様々な行事を共にこなしていく「行動班」を組む教育方針をとっている。くじで決められる、一真と過ごすメンバーには個性的な8人が集まった。彼らは「行動班」として行動をともにしつつも、付き合いは最小限レベル。そんな中、女子更衣室からの盗難事件が発生。これが後に「受信探偵」と称される、橘一真はじまりの事件であった……。

ライアーソフト→シルキーズプラス→CLOCKUP


―――ライアーソフト×シルキーズプラスという組み合わせにまず驚きますが、どのような経緯で生まれたのでしょうか。

ライアーソフトさんと打ち合わせをしていたとき、「ライアーソフトには根強い固定ファンがついているけど、新規層にも届く作品を作りたい」という話題になったんです。企画・シナリオはライアーソフトで制作して、グラフィックや見た目は新しいものを構築する。そこで企画内容を考慮しながら色んなメーカーを検討して、候補に上がったのがシルキーズプラスさんでした。

―――ライアーソフトさんとの打ち合わせが発端だったんですね。

昨年4月の萌えゲーアワード授賞式のとき、シルキーズプラスの広報さんとお会いして相談してみたんです。その頃はシルキーズプラスさんはすでに『あけいろ怪奇譚』の開発も始まっていたので、「社内に持ち帰って検討します」ということになったんですが、その後すぐに「面白そうなんで、ぜひやりましょう」と即決していただきました。

―――1年半以上前から始まっていたんですか。

ただ、その時点では原画は決まっていませんでした。ある大阪での店頭イベントで、たまたまシルキーズプラスさんとCLOCKUPさんが一緒にだったんですね。私はその場にはいなかったのですが、そこでいつか一緒に仕事したいですねという話になったらしく、本件の企画が始まったころに相談したところ、ちょうど『Maggot baits』の作業が終わった時期で、原画のはましま薫夫さんのスケジュールが空いていたんです。

青春群像劇が描かれた物語と、頭を悩ませる推理パート


―――なるほど、そういった流れでこのようなスタッフが揃ったんですね。ゲーム内容については、どのように決まったのでしょうか。

当初はサブタイトルになっている「受信探偵の事件簿」との仮タイトルがついていた作品に、満場一致で決まりました。この作品は、いわゆるAVGのように選択肢を選んで進めていくだけでは面白いゲームに仕上がらないという理由で、ライアーソフトさんでは企画段階でストップしていた内容だったんです。推理パートのギミックを制作できるシルキーズプラスさんだからこそ、制作可能になりました。

―――シルキーズプラスさんはベテランスタッフが揃っていますからね。

「推理パート」では、例えば容疑者の選択、どのようなトリックを使ったのか、といった二種類の設問で正解を揃える必要がある。このように頭を悩ませる要素を組み込むことで、物語をより楽しめるようになっているわけです。

―――今時、ちょっと珍しい仕組みですよね。

昔から遊んでいた方には懐かしく思う人もいると思います。それでいてビジュアルも含め、物語は若い人からベテランのユーザーまで、楽しめるような作品に仕上がったと思いますよ。ストーリー全体に伏線があるような仕掛けもありますが、同時にそれに縛られるような窮屈さはなく、学生らしい青春群像劇が堪能できる物語になっています。青春って良かったなあと思い出しながら、推理パートでは頭をひねってと、色んな形で楽しんでほしいですね。