様々なブランドから美少女ゲームをリリースする株式会社XERO。最新作『ビッチ学園が清純なはずがないっ!!?』は、同社のonomatope* raspberryから11月24日に発売される。人気シリーズ最新作だが、その企画作りには流通との徹底したディスカッションという独特な方法論があった。そんな『ビッチ学園が清純なはずがないっ!!?』について、株式会社XEROのMOKAプロデューサーにお話を伺った。

15年以上開発を続けるMOKA氏。onomatope* raspberryでは「流通さんとの対話」から企画が生まれている

「提案型」開発から生まれた人気シリーズ

ブランド onomatope* raspberry
定価 10,584円
発売日 2017/11/24
ジャンル ADV
原画 雛祭桃子、O33

1人で女学園に立ち向かう?

ミッション系女学園に共学化のテストとして採用された男子たち。しかし、男子を追い出そうと結束した女学生たちにより、奄美八朔は最後の一人になってしまう。そして女子の魔手は八朔にも襲い掛かり、身体検査だと裸にひん剥かれてしまう。羞恥と興奮から、射精してしまう八朔。しかしこの事件から八朔を巻き込んだ世界が一変していく!人気の「ビッチ」シリーズ最新作は、学園を舞台にした主人公の成り上がりストーリー!?

流通の要望をベースに、それに応える企画を提案するゲーム作り

―――11月24日に発売される『ビッチ学園が清純なはずがない!!?』でonomatope* raspberryは3作目になりますね。

MOKA(敬称略/以下同):かなり駆け足で作っていますよね。デビュー作の『ビッチ姉ちゃんが清純なはずがないっ!』が2016年4月発売だから、そこからまだ1年半ですよ。

―――もともと短いスパンでゲームを出す計画だったのですか?

MOKA:当初の流通さんとの話では、低価格ソフトを作るブランドにしようってことだったんです。ところがデビュー作のキャラデザイン時に、原画家がやたらたくさんキャラを考えてきましてね。それで「これもいい、あれもいい」って言っていたら、キャラの数が増えた(笑)。「もう低価格じゃ出せないね」ってことになったんです。

―――企画を作る中でブランドの方向性が変わっていったのですね。

MOKA:うちはもう15年くらい美少女ゲームの制作をやっていますけど、その間ずっと流通さんに「御社が求めてるのはどういうゲームですか?」というところから企画を始めるんです。そこで「〇〇な作品がいい」と出された条件に対して、3~4本の企画案を提示して、選んでもらってきました。常に選択肢を複数用意できるようにしてきたつもりなのですが、『ビッチ姉ちゃんが清純なはずがない!』のキャラデザインのように決めきれないと「じゃあ、全部入れちゃいましょう」ってことになる(笑)。

―――ということは、制作に入る前に流通とは何度も打ち合わせを繰り返すのですか?

MOKA:そうですね。『ビッチ姉ちゃんが清純なはずがないっ!』の製作期間は10か月でしたけど、最初の4か月は流通との企画打ち合わせで使いましたから。でも、そこで膨大な情報を用意して打ち合わせをするので、「今回は使わないね」というネタがたくさん残るんです。そのネタを含めて次の企画制作に入れるので、2作目以降は短いスパンで開発が進んだというのはありますね。

―――ということは、基本的に最初の企画の提案はXEROからではないのですね。

MOKA:そうですね。というのも、流通さん毎に得意なジャンルってあるじゃないですか。実は昔、凌辱やエロ系が得意な流通さんから萌え系の作品を出したことがあるんですが、萌え系を売るための販促が理解してもらえなかったんですよね。そういう経験をして、流通さん自身が得意としている作品を作らなくちゃダメだと考えるようになりました。なので、うちは提案型のメーカーですね。いくつか企画を提案して、流通さんの意見を汲んで決めていくタイプです。

―――先ほどonomatope* raspberryは2016年デビューというお話をしましたが、会社・XERO自体の立ち上げはいつですか?

MOKA:2002~2003年くらいだったと思います。だからもう15年くらいになるんですね。よく続いたと思います。うちはいくつものレーベルで作品を出していますが、レーベルごとに流通さんが違う。それも流通さんから「こういう作品を作ってほしい」という意見を汲み上げて制作している結果なんですね。

―――それだけ企画を出し続けられるという会社というのもすごいですね。

MOKA:それでもなかなか社内から新しい企画は出てこないんですよ。だから企画の大枠を流通さんから出してもらうわけですけど。

―――『ビッチ』シリーズはどのようなところから企画を始められたのですか?

MOKA:流通さんからは「今うちで売れている作品のキーワードが“ビッチ”“巨乳”」という提案があって、ならばそこに“学園もの”という要素を盛り込んで作りましょうか、と企画を出していったんです。

―――確かにユーザーのニーズに応えているようですね。

MOKA:そこは流通さんの得意ジャンルに合わせていますから。それとユーザーさんは一度気に入った作品のお代わりを求めるんですよね。そこも意識しています。ただ、『ビッチ学園が清純なはずがないっ!!?』で3本目。さすがにユーザーさんもおなか一杯だろうと思ったので、今回がシリーズ最終作ということで、ありったけのネタを盛り込んだ作品になっています。

ヒロインを助けるドラマ性に評価も、基本はエロシーンという制作スタンス

―――そんな最新作ですが、今回はどのように企画が完成していったのでしょう。

MOKA:「ビッチ姉ちゃん」「ビッチ姉妹」と来たので、最初は「ビッチ家族」を考えたのですが、流通さんから「人気がないからやめて」って言われて(笑)。「ヒロインは学生であることが望ましい」ということだったので、それを前に押し出そうということで「ビッチ学園」になったのです。流通さんからは「こうくると思っていました」って言われましたけど。

―――物語としては、どういう展開になるのでしょうか。

MOKA:共学化を控えた女子校に、主人公を含めた男子10名がその準備として入学してくるんですが、みんな女子に虐められて辞めていっちゃうんです。ゲームの冒頭に、主人公に「俺もやめる」って最後の仲間から連絡があって(笑)。残った主人公も虐められるんですが、そこに唯一の味方であるお姉ちゃんが留学から帰ってきて、その手ほどきを受けてエッチでのし上がっていくんです。

―――すごい冒頭部分ですね(笑)。

MOKA:前作までの「主人公が女子に虐められているところから反撃してのし上がる」というのは継続しようと思っていたんですが、そこで思いついたのが「女子校に一人だけ取り残された主人公」という構図だったんです。今回はエッチシーンじゃなくて、「ごめん、お前を残して俺も去る」と言っているシーンが描きたくて作りました(笑)。

―――その衝撃の冒頭から、主人公の反撃が始まっていくわけですね。

MOKA:そうです。実は前作をプレイしたユーザーから「もっと主人公が主体的に事件を解決してほしい」という声があったんです。もともとが姉モノだったので、主人公は基本的に甘やかされるんですが、それだけじゃない楽しみ方が欲しいということで。なので『ビッチ学園が清純なはずがないっ!!?』では主人公が結構頑張ります。

―――なるほど、お姉ちゃんに甘えるだけではない主人公像ですね。

MOKA:はい。実は舞台の学園は主人公の両親が作ったのですが、その両親が亡き後、実権を叔母が握るようになっていて、それを取り戻すのが目的なんです。もちろん叔母も実権を奪われたくないので妨害してくるのですが、その尖兵である叔母の娘は、主人公のことが好きなのに命令されて虐めている。それを知った主人公が「彼女のことも守らなければ!」って立ち上がるんです。

―――けっこういい話ですね(笑)。

MOKA:だからこのシリーズ、ユーザーさんからも「ヌキゲーだと思ったら、いい話だよね」って言われています(笑)。実は僕、昼メロ的なドロドロしたところからヒロインを助け出す展開が好きなんです。そこを「ビッチ」シリーズで描いているんですよ。前作はそこを強く出したところもあるので、「お姉ちゃんに頼らず、主人公が自分で頑張れ」って言われたのかなとも思っています。まあ、基本的にエロシーンを見せるためのストーリーなので、ドラマを見せるのが第一ではないんですけどね。シナリオライターは苦労していると思います。

ブランド初のマスターアップ前の体験版公開で予約促進を狙う

―――さらに本作はヒロインが10人もいます。

MOKA:これだけいると全員を描くのがとても難しいんです。なので、これは前回でも使ったのですが、ヒロインをいくつかのグループに分けて、それぞれのストーリーを展開させる方法をとっています。それぞれのグループの中で女の子たちに悩みがあって、それを時にお姉ちゃんの協力もあって主人公が解決していくことになります。

―――グループエンドは珍しい形ですが、前作で反響などはいかがでしたか?

MOKA:自分のお気に入りキャラしか攻略しないユーザーが多いって話があるじゃないですか。でも、うちのユーザーさんはグループエンドにすることで全ルートを遊んでくれる人が多いみたいです。ゲーム構成上、必ず全キャラと関わらないと先に進められないんですが、それがあって登場キャラ全員が気になっちゃうのかもしれませんね。

―――今回のグループルートはいくつになるのですか?

MOKA:ハーレムエンドの他は4つです。苺桜・杏莉子・梅衣の敵の本陣ルート(笑)、愛梨・らいちのルート、柚月・茱萸の生徒会ルート、心桃鈴・まろん・棗のギャル更正ルートですね。詳しい展開は内緒です(笑)。

―――キャラデザインでのこだわりは?

MOKA:やはり「巨乳」が人気ということで、いかにおっぱいを柔らかく感じられるようにするか、にはこだわっています。それと、制服デザインは当初は流通さんが「地味目に」って言っていたのに、「こういうのもありますよ」って胸を強調したデザインを出したら即決だったのにはびっくりしました(笑)。

―――販促展開計画も教えてください。

MOKA:実はこれまで体験版はマスターアップ後に公開していたんです。でも本作では、マスターアップ前に体験版を出します。今まで遅く出していたのは「最近のユーザーは体験版を遊ばない」って言われていたからなんですが、予約を考えると先に出したほうがいい、ということで。しかも今回、ありがたいことにショップ特典に抱き枕カバーやタペストリーをつけてくれる店舗さんが多いんです。でも、布物をつけると、早く数を確定しなければいけないので、特典製造のためにも体験版を早く出すことになりました。

―――今後の予定等もお聞かせください。

MOKA:先ほど言いましたように「ビッチ」シリーズはひと段落ですが、「もっと欲しい」と言われたら続けるかも(笑)。まあ。流通さんと相談して決めていきます。実は次回作のキャラデザインは何となく進めているんですよ。いろいろ考えています。

―――期待します。それでは最後にメッセージをお願いします。

MOKA:onomatope* raspberryはもちろんですが、(株)XEROはゲームの発売延期はありませんので、安心して予約を取ってください。よろしくお願いします。