2007年4月に『VenusBlood』を発売以来、10年間シリーズ作品を発売し続けてきたDual Tailが、10周年10作品として発売するのが『Venus Blood-BRAVE-』。常に新しい要素を盛り込み続けているが、今回は『VenusBlood』初となるRPG要素を導入。さらに重厚なストーリーなど、10周年にふさわしい新機軸を備えた作品となっている。そんな『Venus Blood-BRAVE-』について、ディレクターのけ~まる氏にお話を伺った。

取材にご協力いただいたけ~まる氏。『Venus Blood』シリーズをはじめ、数多くのRPG・SLGを手掛けてきたベテランだ。

シリーズ初となるRPG要素の導入

ブランド Dual Tail
定価   10,584円
発売日  2017/9/29
ジャンル 勇者産卵触手RPG
原画   なるみすずね、椎咲雛樹、丹下ゲンタ、泉水いこ、きゃびあ

勇者とともに魔王討伐の旅へ

女神の加護によって平和を謳歌する世界ジラント。この平和がいつまでも続くと思われていたある日、災厄は突如としてやってきた。復活した古の魔王ラーガル。悪魔の月の影響で女神の加護は失われ、魔の眷属はその支配を広げる。そして、ここにまた一つの都市が陥落しようとする中、少女勇者と魔学者の青年が邂逅を果たす。魔王を倒す為に触手蹂躙を受け入れた勇者と、己の研究の為に生命の真理を探求する男。そんな二人による魔王討伐の旅が幕を開ける。

常に新要素を加え続けた10年 今回はシリーズ初のRPG要素に注目

―――9月29日発売の『Venus Blood-BRAVE-』ですが、シリーズ10周年で10作目ということになります。

け~まる(敬称略/以下同):『Venus Blood』を発売したのが2007年4月なんですが、あの頃のことを思い出すと「よくここまで続いたな」って感じですね。自分でもここまで続くとは思っていませんでした。

―――とはいえ10年続いたことを考えますと、シリーズの根幹は変えず、新しい要素も積極的に盛り込んだことなども大きな理由だったのではないかと思います。

け~まる:そうですね。シリーズ2作目まで調教SLGという形でリリースしてきて、基本は固まりました。その上で今後もこのシリーズを続けていくならと積極的に新しい要素も取り込んでいったのが3作目。ここで評価いただいたことが、長く続く要因になったかなとは思います。

―――そんな中で発売される『Venus Blood-BRAVE-』は10周年作品というのを意識されて制作されたのですか?

け~まる:実は前作の『VenusBlood -RAGNAROK-』とどちらが先に完成できるか微妙だったんです。RAGNAROKが10周年作品になる可能性もあったんですよ。どちらかが10周年になることは明らかだったんですけどね(笑)。ただ、『VenusBlood -RAGNAROK-』はこれまでの『VenusBlood』の流れを汲んだ作品ですが、『Venus Blood-BRAVE-』は新しい要素を盛り込んでいるということで、新たなシリーズの流れになる可能性がある作品ではあると考えています。

―――そうだったんですね。『Venus Blood-BRAVE-』の新要素というのは、10周年だから盛り込んだものだと考えていました。

け~まる:『VenusBlood』はこれまでも根幹となるルールは同じゲームを作ってきたので、その中で追加要素など手を変え品を変え盛り込んできました。それはつまり「飽き」との勝負だったわけですが、これまでも3作ごとくらいに大きな変化を加えてきたんです。例えば3作目の『VenusBlood -DESIRE-』では、それまでの調教SLGに戦略SLGの要素を加えましたし、5作目の『VenusBlood -ABYSS-』では産卵という要素を加えてみました。実は産卵は不安もあったのですが、思いのほか受け入れてもらえました(笑)。おかげでここから作品ごとに悪堕ちと産卵を交互に出すことができるようになったわけで、このことでシリーズの寿命が延びたというのはあると思います。とはいえそろそろ新しい要素を盛り込んでみたいと考えている時期でもありました。

―――それがRPG要素なんですね。

け~まる:はい。RPGはこれまでもninetail作品でやってきていたので、我々としては盛り込むのに違和感はなかったんですが、『VenusBlood』はSLGとしてユーザーさんに認識されていますからね。ですからダンジョンを延々と進むような本格的なRPGではなく、ちょっと簡単に遊べるようにはしてあります。もちろん産卵や編成という従来の楽しみも盛り込んであります。SLG要素では『VenusBlood -CHIMERA-』での調教パラメーターを復活させています。これまでのシリーズの楽しさにRPG要素を盛り込んだ、『VenusBlood』型RPGが作り出せたらいいなと思っています。

―――やはりSLGとRPGはユーザーの側でも分けて受け止めているのでしょうか?

け~まる:どうでしょうねえ。でもまあ、美少女ゲームはゲーム性の有無で分けられることが多いので、ゲーム性のジャンルで分けては考えられていないんじゃないでしょうか。エウシュリーさんの作品はRPG要素とSLG要素を兼ね備えているゲームも多いですし、アリスソフトさんの作品を見てもランスシリーズなどはラインナップを見るとSLGとRPGが半々ですしね。ゲームとして面白ければ幅広く受け入れてくれるのがゲーム性重視のユーザーさんなのかな、と思ってはいます。

―――初めてシリーズにRPG要素を盛り込む点で、何か意識されたことはありますか?

け~まる:『VenusBlood』はシリーズを重ねるごとにユニットがどんどん増えてきたわけですが、そこを今回は多少選別して整理しています。RPGだとパーティーメンバーが少なくなりますから、その中で組み換えなどを楽しんでもらえれば、と。それとプレイヤー側のキャラクターに関しましては、戦闘アクションを盛り込みました。

―――そんな『Venus Blood-BRAVE-』ですが、今回はシリーズの中でどのあたりの位置づけになるのでしょうか?

け~まる:産卵という要素があるという意味では『VenusBlood -ABYSS-』の流れに近いでしょうが、今回はそれ以外に新しい要素が多いですからね。一口にどの作品の後継作とは言いにくいです。10周年として新たな『VenusBlood』といいますか……今作がユーザーさんの反応を見て、RPG型『VenusBlood』はありかどうかの試金石となる作品ですね。

―――それは楽しみですね。

け~まる:このままシリーズ化するには制作の負担が大きすぎますけどね(笑)。ただ、ルールがこれまでと全く違うので、ユーザーさんも最初の『VenusBlood』の時のような、手探りで楽しむ面白さを感じてもらえるのではないでしょうか。

RPGならではのストーリー重視と勢力ごとに分けた原画家5人体制

―――作品内容についてもお聞きしますが、今回は攻略ヒロインが4人なんですか?

け~まる:メインは4人ですが、他国のヒロインもいますので、もうちょっと多くなります。それと攻略ではないのですが敵の女幹部を打ち倒せば凌辱がありますので、エッチシーンのあるキャラという意味ではシリーズの中でも多目になっています。実は味方ヒロインの凌辱に関しては、本作ではうまくストーリーの流れに組み込むことができたと思っているんです。

―――ストーリーとゲームのバランスはいかがですか?

け~まる:そこの比率は従来の作品と大きく違いはありません。ただ、ボリュームだけを見るとシナリオ量とボイス量がかなり増えているんです。なので、そこも楽しんでもらえるかなと思っています。

―――それはユーザーさんからの要望を取り入れた形なのでしょうか?

け~まる:いえ、Dual Tailのユーザーさんはゲームのストーリーを一通り楽しんだらゲーム攻略で遊んでいく方が多いので、「物語をもっと」みたいな要望はあまりないんです。ただ、今回はドラマが縦に長くなったというか、「魔王を倒す」までのドラマがしっかり作りこまれているんです。例えば各国のヒロインと出会って仲間にしていくまでの流れも、かなりしっかりストーリーを作っています。なので、これまで以上に「なるほど、こういう流れで主人公の仲間になったんだな」って感じてもらえると思います。RPG要素もあるのでキャラにより愛着を持ってほしかったというのもありますね。

―――なるほど、RPGならではの見せ方でもあるわけですね。

け~まる:そうですね。例えばこれまではSLGだったのでひとつの戦争を描く感じだったのですが、RPGだとパーティー規模も小さくなるので、主人公個人と魔王との戦いのような描き方になっています。だからこそ各キャラを掘り下げるためにドラマが重要になったというのもありますね。

―――となると、制作スタッフも大勢必要だったのではないですか?

け~まる:シナリオは外注のシナリオライターも入れて、大人数で制作しました。大変ではありましたが、各ライターが作品の意図を汲んで書いてくれたので、上手く形になったと思います。原画家も「いろいろな方を起用しよう」と5人にお願いしました。でも、それぞれの国と、その国を侵攻している魔王軍という組み合わせをワンセットで原画家さんにお願いしたので、違和感なく見てもらえると思います。例えばメインのなるみすずねさんは最初の頃に仲間になるキャラをお願いして、次に主人公たちが赴く砂漠の国はきゃびあさん、次の魔法の国は泉水いこさんという感じで分担してもらっています。ADV体験版を公開しているのですが、ユーザーさんも5人の原画家さんの絵に違和感がないような反応です。

今後の展開は市況を見ながらファンディスクやアペンドの展開も

―――ADV体験版のお話が出ましたが、今後の広報展開についてもお聞かせください。

け~まる:ゲームパートの体験版ももちろん出します。公開時期としては8月末か、少し遅れて9月頭になってしまうかも、というところです。それとADV体験版と前後してしまったんですけれど、ムービーも近日中に公開します。これはOPにゲーム紹介が加わったものですね。

―――販売体制としまして、今回もDL版を同時リリースということになっていますね。

け~まる:そうですね。ゲーム性の高いブランドとしてはアリスソフトさんが同日DL販売を始められたので、ウチはそのあとくらいで……ソフトハウスキャラさんも同じくらいの時期からでしたでしょうか。最近ではエウシュリーさんもDL版を同時リリースされていますよね。

―――ユーザー、そして店舗に対しての一番のセールスポイントはどの部分でしょうか?

け~まる:ストーリーですね。一本筋の通った骨太のドラマを描いていますので、ぜひそこを見てほしいです。そんなことを言いながら、そこに産卵なんて要素をぶち込んでいるわけですけど(笑)。『Venus Blood-BRAVE-』の物語の中に、産卵がどのように盛り込まれていくかについても期待してほしいです。

―――10周年10作目の『VenusBlood』シリーズですが、今後の展望はいかがでしょう。

け~まる:市況次第というところはあります。市況を見ながら、今後の展開、制作方法などを考えていきたいと思っています。ちょっと今回はスケジュール的にもハードだったので(笑)。今回は10周年記念で「VBヒロイン総選挙」を行なっているのですが、人気キャラのファンディスクやアペンドディスク制作も今後は視野に入れていこうと考えています。やはり『VenusBlood』は弊社の軸となるタイトルなので、今後もユーザーさんに楽しんでいただける作品として制作していきたいと思っています。よろしくお願いします。