今年でデビューから15年、人気の『恋姫†夢想』シリーズが10周年を迎えるBaseSon。そんな同ブランドは2017年から3年続けて『真・恋姫†夢想-革命-』をリリースする。第1弾は7月発売の『真・恋姫†夢想-革命- 蒼天の覇王』。タイトルから推測される通り、魏を舞台にした作品だ。本来であれば1本にまとまるはずが三部作になった『真・恋姫†夢想-革命-』。その理由とファン目線での様々な販促展開について、ディレクターの花七氏にお話を伺った。

取材にご協力いただいた花七氏。初代ディレクター・K.バッジョ氏から引き継ぎ、三国志『恋姫†夢想』シリーズのディレクターに

大ボリュームの三部作、第一弾がリリース

ブランド BaseSon
定価   10,584円
発売日  2017/7/28
ジャンル 乙女繚乱煩悩爆発覇道邁進歴史AVG
原画   かんたか、片桐雛太、夏彦、MtU、ぎん太郎、城崎冷水、しのづかあつと、日陰影次、八葉香南、くわだゆうき、神剣桜花、繭咲悠、さえき北都、rei太、城崎冷水(SD原画)、くわだゆうき(SD原画)

新たに始まる『恋姫』の物語

目が覚めると、目の前に広がっていたのは果てしない荒野だった。何が起きたのか戸惑っていると、そこに仰々しいお供を引き連れた少女がやってくる。少女は“曹孟徳”と名乗り、自軍に協力するよう命じる……。武将が女の子として存在している三国志の世界を描いた「真・恋姫†無双」の新展開。第1弾は「魏」をフィーチャーした「蒼天の覇王」編。深みを増したドラマと多くの新キャラが描く新たな「真・恋姫†無双」だ。

ストーリーとキャラクター ふたつの魅力を両輪として15年

―――『真・恋姫†夢想-革命- 蒼天の覇王』を制作中のBaseSonさんですが、ひとことで言うと、どんなブランドですか?

花七(敬称略/以下同):BaseSonのデビューは2002年の『ONE2 ~永遠の約束~』なんですが、原画・片桐雛太を中心として、ストーリーとキャラクターの両方を魅力とした作品作りという基本スタンスは変わっていません。スタッフは『恋姫†無双 ~ドキッ☆乙女だらけの三国志演義~』(2007年)のころに入ったメンバーが中心ですね。

―――発売ラインナップを見ると、その前後で明確にカラーが変わりましたよね。

花七:『恋姫』以降は「キャラクターの多い歴史もの」という特徴が明確になりました。実はその前に発売した『春恋*乙女 ~乙女の園でごきげんよう。~』(2006年)からの流れでもあるんですけどね。『春恋*乙女』がホップで『恋姫†無双』がステップだったのですが、このステップが本当に大きくなったので、続く『真・恋姫†無双 ~乙女繚乱☆三国志演義~』のジャンプもさらに大きくなったのはあると思います。

―――最初の『恋姫†無双』は発売が2007年。今年でシリーズ10周年になるんですね。

花七:そうですね。『恋姫†無双』で始まって、2008年の『真・恋姫†無双』を経て2010年の『真・恋姫†無双 ~萌将伝~』で、いわゆる“三国志の恋姫”はひと段落して、戦国ものの『戦国†恋姫』シリーズや、時代劇ものの『あっぱれ!天下御免』などを開発していました。ところが弊社以外が展開する「恋姫†無双」がありまして。ソーシャルゲームや格闘ゲーム、パチンコやアニメなどもあったのですが、そちらの盛り上がりがすごかったんです。それで「やはりファンの方は三国志の「恋姫」もまだまだ見たいのかな」ということになって、『真・恋姫†英雄譚』シリーズが動き出したんです。実は『真・恋姫†夢想-革命- 蒼天の覇王』は、2015~2016年に展開した『真・恋姫†英雄譚』シリーズの前に動き出していたんですよ。

―――『真・恋姫†夢想-革命-』も魏・呉・蜀の3部作で発売されるということで『真・恋姫†英雄譚』シリーズの流れをくむ部分もあるのかと考えていました。

花七:そう思われることも多いのですが、作品の方向性は全く違います。『真・恋姫†英雄譚』シリーズはあくまで『真・恋姫†無双』のファンディスク。『真・恋姫†夢想-革命-』はシリーズの根幹となる作品で、もう一度三国志を「恋姫」として描きなおしていこうという作品なんです。もう一度描きなおすから“革命”なんですね。『恋姫†無双 ~ドキッ☆乙女だらけの三国志演義~』と『真・恋姫†無双 ~乙女繚乱☆三国志演義~』は、似ていながら全く違う作品でしたよね。それと同じ位置付けになるんです。

新キャラ追加&既存キャラ掘り下げで 大ボリュームに

―――今回の『真・恋姫†夢想-革命-』を、もう少し具体的に教えていただけますか?

花七:ひとつあったのは、「もっと新キャラを出したい」ということでした。三国志にはまだまだたくさんのキャラクターがいますよね。例えば漢王朝の霊帝ですとか呉の魯粛とか。そういうキャラを、ちゃんと『恋姫』の世界に登場させて動かすためにも新しい三国志を作ろうと。実は当初は魏・呉・蜀に分ける予定はなかったんです。ところがキャラが増えて、それぞれの物語を掘り下げていく中で、これをひとつの作品にまとめると何年も新作を待たせてしまうことになる。先ほど『真・恋姫†英雄譚』シリーズの前に企画が始まったとお話しましたが、開発は並行して行っていました。英雄譚シリーズは低価格ソフトだったのでそれが可能でしたが、シリーズが終わって『真・恋姫†夢想-革命-』の状況を確認すると、完成まであと3年はかかるということ、1本のソフトに収まるボリュームにはならないことは分かったんです。ならばユーザーさんに早く楽しんでもらうために、3本に分けて1年おきにリリースすることにしました。3分割しても、1作品がフルプライス1本分以上のボリュームです。『蒼天の覇王』だけでも音声収録で2か月以上かかっていますから(笑)。

―――それはものすごいボリュームですね。

花七:新キャラを追加するだけでなく、新たに作るなら既存キャラも、さらに掘り下げたくなる。特に魏は曹操がメインキャラなので、前作以上に彼女のキャラクター性を掘り下げていっています。原画のかんたか先生には、LuxuryTiara(※)が忙しい中、本当に頑張ってもらっていますよ。

―――そのお話を聞くだけでも、これまでシリーズを遊んできたファンでも、また新たな楽しみがあることがわかります。

花七:そうなんです。今作はこれまで『恋姫†夢想』を遊んできた人に、特にプレイしてほしいんです。ありがたいことに『真・恋姫†無双 ~乙女繚乱☆三国志演義~』は12万本以上売れているのですが、その人たちに「もう一度遊んでみよう」と思ってもらえると嬉しいですね。

―――告知もそこを意識しているのですか?

花七:そこが難しいところなんです。絵の部分は、前作と比較するのではなく、今作ならではの美麗さ、クオリティーを見てもらいたいですね。作品内容では戦闘パートを強化していますので、今後ムービーなどを出して見てもらおうと思っています。それと『真・恋姫†無双』の時に人気だった告知展開として、ウェブラジオを復活させます。パーソナリティーに新しいキャラも入れて、前作を楽しんできた人にもう一度注目してもらえればと考えています。

―――なるほど。

花七:今後はツイッターキャンペーンを計画しています。これはユーザーさんに「今までの『恋姫』の思い出をつぶやいてもらう」という企画で、ファンに恋姫を思い出してもらうのと、そこで盛り上がることで他の人の目に届いてほしいとい狙いですね。

―――公式サイトではフライヤーのDLも行われていますが、あれは販売店向けですか?

花七:いえ、販売店さんには別途送付させていただいています。あれは店舗まで取りに行けないユーザーさん向けですね。最近は近所にPCゲーム販売店がないというユーザーさんも少なくないですから。フライヤーでいえば、7月にA4用紙4枚分サイズの見開きフライヤーを配布する予定です。これは販売店でも配布しますが、ネクストンパスポート会員で希望する方には特製クリアファイルをつけてご送付させていただきます。

※…かんたか氏がディレクターを務める姉妹ブランド

ファンに もう一度「恋姫」の世界を楽しんでもらうために

―――ネクストンパスポートは、美少女ゲーム業界のメーカーファンクラブの中でも、積極的な展開をされていますよね。

花七:これは3~4年前から社長の鈴木が力を入れているのですが、それまでのネクストンはお世辞にもユーザーフレンドリーではなかったと思います。作品を介してユーザーと接点を持つような感じでした。でも、あかべぇそふとさんや近年デビューされたブランドは、もっとユーザーと距離が近いが故の良さがありますよね。我々も良い部分は積極的に取り入れなければならないと、ファンサービス企画にも力を入れるようになりました。結果、ツイッターアカウントをフォローしてくれるユーザーさんが目に見えて増えるなどの変化はありましたね。

―――ネクストンは老舗ではあるが、新しいものも積極的に取り入れていくわけですね。

花七:老舗といっても、2000年代前半と今とでは、ユーザーさんが求めるものも変化しています。それを取り入れていくことは重要ですよね。そういう部分を柔軟に取り入れた鈴木は、やはりすごいと思います。

―――今回は「店舗専売グッズ」を用意されていますよね。

花七:これは特典とは別に用意しました。弊社の原画家は毎回版権イラストも力を入れて描いてくれるのですが、無償の特典物だと絵のクオリティーを生かし切れていないように感じていました。せっかく描き下ろしのイラストを用意するなら、いいグッズをお客様にお届けしたい。そう思って企画したのが店舗専売グッズです。特典ではないので、店舗さんでグッズだけ買っていただくこともできます。もちろん店舗での購入特典も用意しました。ありがたいことに『恋姫†夢想』シリーズはこれまでもたくさんのイラストを用意してきましたので、店舗特典にはそちらを使ってもらうようにしています。店舗さんには負担をかけず、ユーザーさんにはクオリティーの高いグッズを楽しんでもらえる企画になったと思います。今回好評であれば、今後ほかの作品でもやっていこうと考えています。

―――さて、そんな『恋姫†夢想』も10年。ここまで長く人気作品となった要因は、どのようにお考えですか?

花七:やはりうちだけの力ではなく、取り扱ってくれた販売店さん、アニメやソーシャルゲーム、パチンコやコミカライズなどを取り組んでくれた会社さん、そしてユーザーさん。皆さん一緒に『恋姫†夢想』を盛り上げてくれたことですね。それとこれは前任ディレクターのK.バッジョのスタンスなんですが、『恋姫†夢想』は作品に外史という考え方があって、「それぞれのコンテンツにそれぞれの『恋姫』がある」という受け止め方なんです。だから弊社から「その『恋姫』はNGです」というとはほとんどないんです。そしてありがたいことに、どのコンテンツの『恋姫』もキャラを大きく崩したりすることなく、それぞれのコンテンツの世界を広げてくれています。皆さん好きでいてくれるんですよね。そういう人たちの力添えがあってこそ、10年間続けてこられたと思います。

―――そんな『恋姫†夢想』シリーズの新たなスタートである『真・恋姫†夢想-革命-』。ずばりセールスポイントは?

花七:一言でいうのは難しいのですが、ユーザーさんが求めているものであることは自信があります。一番遊んでほしいのは、これまで『恋姫†無双』を大好きでいてくれた人。そんな人が、本作を遊ぶことで、改めてこの作品を好きになってくれる。そんなゲームだと思います。