ゴールデンウィークを中心に、例年、美少女ゲーム関連イベントが充実する春。今年も大会場を使用しての展示会や、複数メーカーが協力してのライブ、またメーカー単独のイベントも開催された。その中で特に目立ったものを、5月特集記事として掲載していく。2回目は4月30日に開催された「character1 2017」。今回、約3万6000人の来場者を記録したこのイベントは、2014年に同イベントがスタートして以降、参加者数は増加し続けている。その一方で、場所が国際展示場の東1・2から東7・8ホールへと会場奥になるなど、来場者にとって難しい面も少なからず存在した。そんなcharacter1について、同代表理事の山川竜一郎氏(株式会社フロントウイング代表)にインタビュー。今回の開催の疑問点に加え、今後の展望などについてもお話を伺った。


 従来と異なる会場&大イベント同日開催も、参加者数は微増で手応えあり

──今回の来場者数はどれくらいだったのでしょう。

山川(敬称略/以下同):公式発表で3万6000人です。今回は会場が東の7・8ホールということで、会場面積としては昨年までの東ホールふたつ分に比べたら、ちょっと狭くなっています。

──出展社さんの反応はいかがですか?

山川:来場者数、会場位置などの関係もあると思うのですが、「前回より良かった」という企業さんと「厳しかった」という企業さんが半々といったところですかね。

──それは具体的にどのような要因があったのでしょうか?

山川:ひとつは女性向けブースの出展が少なかったことで、来場者の比率として女性が減ったというのも挙げられると思います。これは運営側の告知が足りなかったというのもあるのですが、それがアニメや一般ゲームなどのブースに影響を及ぼしてしまったという反省はあります。その一方で、男性向けPCゲームメーカーさんのブースでは、好調だったという声を聞くことが多かったんです。これは現在要因を調査中ですね。

──character1は入場フリーということで、露骨なアダルト描写のグッズを展示することはできません。そのあたりの影響というのは?

山川:それはないと思います。その件については事前の打ち合わせなどでメーカーさんに周知しています。実際にいくつかのメーカーさんは「それならば参加できない」という話になりましたが、参加メーカーさんは同意していただけていたので、そこが当日になって問題になることはありませんでした。

──そんなcharacter1ですが、今回は参加者や出展社の目標数などはあったのですか?

山川:今回の参加者数の目標は、初期段階では、4万人を掲げていました。前回が3万5000人だったので今回の3万6000人は増加ではあるのですが、当初目標には及ばなかったということになります。事業者数ももうちょっと多くを予定していたんですが、先ほどお話ししたような状況もあって、目標数より少なくなったのは事実です。次回に向けては、そのあたりを改善していきます。

──来場者数という意味では、今回は大型連休の中でも大きなイベントが重なった日程だったというのもあったと思います。

山川:そうですね。オタク系の大きなイベントが重なったのは事実です。でも、その影響はそれほど受けなかったかなというのが実感です。もちろん4万人を超える人数を見越していたのが3万6000人になった要因として、多少なりの影響はあったかもしれませんが。実は来場者をカウントした場所が、メインゲートだけだったんですね。ところがコミック1の会場と直接つながっている他の入口もありまして、そこから入ってきた人も多かったようなんです。そこをカウントできていないことも、3万6000人という数字になった要因かなとは考えているんです。

──COMIC1(男性向けサークルの参加が多い同人誌即売会。character1は一回目から同日、同じ国際展示場で開催されてきた)は、今年は大盛況だったと聞きました。

山川:COMIC1の来場者数は、前回比1.5倍だったということで、そこからかなり人は流れてきているんですね。特にお昼以降はその流れが顕著になったようで、入り口近くのブースは大変だったようです。

──character1は入場無料ということで、大まかなゾーニングがなされているとはいえ男性向けと女性向け、一般企業のブースが同じフロアに置かれています。このあたりの弊害等は、ありますでしょうか?

山川:特に女性向けや一般企業のお客様から参加しにくいというような声はありません。基本的にキャラクターが好きなお客様がメインなので、男性向けヒロインキャラでも楽しめる女性客も多いようです。出展事業者からすれば、より多く、より幅広い来場者があることはいいことでしょうから、あえてきっちりゾーニングしないことがメリットにもなっていると考えています。もちろん先ほども言いましたように、18禁メーカーでもアダルト色の強すぎるアイテムは表に出さないようにというコンセンサスは取れていますので。

──なるほど。

山川:今回女性の参加者は、ブースだけでなくイベントステージを目当てに来ていた人も多かったですね。そういう催しものを前に出すことで、より幅広い参加者を集めることができたというのもあると思います。女性向けのコンベンション型イベントとしては、秋には「アニメイトガールズフェスティバル」があるんですが、春にはないんですよね。そこで今後は、「春のガールズフェスティバル」になれるような位置づけを目指していきたいです。今年から秋にもcharacter1を開催するのですが、アニメイトさんとぶつかるようなことはしたくないので、秋は女性向け企業の参加は予定していません。もちろん参加したいという企業さんをお断りすることはないのですが、GirlsZoneは作らない方向です。
 

 注目される秋開催に踏み切った理由はアニメ系企業の出展を促すため

──character1の秋開催は今年が初めてです。なぜ秋の開催に踏み切ったのでしょう?

山川:単純に物販という部分だけを見ると、夏から冬のコミケの期間は4か月しかなく、その間に開催しても春より厳しいことになるのは理解しています。でもcharacter1は物販だけでなく、プロモーションの側面もある。そう考えたときに、10月放送開始のアニメを告知する場所を作りたいと考えました。秋アニメを放送中に盛り上げられるような総合イベントって、他にないんですよ。

──ということは秋のcharacter1は、PCゲーム以上にアニメ関係メーカーの出展を促すわけですね。

山川:もちろんPCゲームメーカーさんにも参加していただけるようにしますが、アニメ関係への営業は強めていきたいと思っています。ブースも現状の物販ブースだけでなく、PR専門のブースなどを増やしていきたいと考えています。

──春のcharacter1はコミック1との連動開催という話題性もありますが、秋はどうなんでしょうか?

山川:COMIC1も今年から秋開催が始まります。そのCOMIC1と例大祭(東方シリーズオンリーのイベント)、あともうひとつのイベントと連動開催するように進めています。

──そのほかイベントとの連動開催ですが、現状ではCOMIC1との連動がうまく図れているようには見えない部分もあります。

山川:ブース単位ではやっているところはありますよ。今回はとらのあなさんが両イベントでのスタンプラリーを開催していましたし、出展メーカーの原画家さんがコミック1に参加されている場合に、誘導したりとかされているところはあります。ただ、あまり連携を強めてしまうと、コミケ同様にCOMIC1の企業スペースのような見方をされてしまう。それだとちょっと違う話になってしまうかなと考えています。あくまで連携イベントとして、お互いの参加者が流動するような道筋を作るのが、運営側のアプローチかなと思うんですね。ただ、秋はもう少し連動性を持たせようと思います。例えばコスプレブースや痛車コーナーなどは複数のイベントそれぞれにあっても非効率ですよね。そういう部分を一つにしてみてはどうか、というのは考えています。イベントスペースも各イベント共用で企画することもできますよね。

──秋以降の展開も興味深いですが、今後のcharacter1の展望をお聞かせください。

山川:やはり、まだアニメやソーシャルゲーム系企業・コンテンツの誘致が、まだ追いついていませんよね。ここをこれまで以上に充実させていかなければいけません。それと、こうした企業の多くはイベント参加に慣れていない場合もあります。「イベントに出たいけれど、どうしていいのかわからない」という企業さんに、出展をサポートする会社を紹介するなど、もっとイベントに参加しやすくなるシステム作りも重要になってくるかな、とは思います。

──例えば年齢制限のようなゾーニングを設けることで、一般企業は参加しやすくなるという側面もあると思いますが……。

山川:それはありません。character1の理念として年齢制限をしないというのは大前提ですから。もちろんブースの配置に関しては配慮しますけどね。配置による緩やかなゾーンニングは行いますが、壁を立てるような分け方をしないことが重要だと思っているんです。誰にとってもメリットがないんですよね。

──確かに、これまでの美少女ゲーム系イベントは、それがネックになっていた部分はありますよね。それ以外の展開としては?

山川:出展だけでなく、一般企業にスポンサード参加してもらうことも考えています。3万6000人集まるイベントですから、スポンサード参加のメリットも大きいはず。そのためにも参加者を増やしていきたいですね。通信系企業やネットテレビ関連などは、親和性も高いと思うんです。

──そのあたりは期待したいですね。

山川:もちろん既存の出展事業者さんも頑張ってくれています。物販以外にも様々なブースイベントを企画されているので、午後の参加者滞留率はコミケよりいいのではないでしょうか。もちろん全部が全部ではないのですが、事務局からも「こういう企画を実施したブースが盛り上がっていました」ということは周知していきたいですね。

──期待したいと思います。

山川:来年の春の日程はまだ発表出来る段階にないのですが、次回開催となる今年の秋については10月15日に東6ホールでの開催となります。また、今後は2日開催も視野に入れています。まだ未参加の企業さんは、ぜひ一度ご参加ください。