2016年に目立った美少女ソーシャルゲームを振り返る特集。一般向けを中心に振り返った先週に引き続き、今回は18禁版のタイトルを紹介していく。また、プラウザゲームも含めての今後の展開も伺った。取材にご協力いただいたのは前回に引き続き、DMM・林氏とにじよめ・栗原氏。


 パッケージ作品と企画段階から連動しての制作という新機軸に向けて

長年、美少女ゲームを作り続けてきたからこその内容がヒットにつながっている『淫妖蟲 禁 ~少女姦姦物語~』。

一方で18禁のPCブラウザーゲームはどのような状況だったのだろうか。
DMM GAMESでは、18禁タイトルはオリジナルゲームが増加しているという。しかし、その中でもIPコンテンツの人気は根強いとのことだ。

「やはりDMMオリジナルでは作れない尖った作品は美少女ゲームのIPが強いですね」と林氏。『淫妖蟲 禁 ~少女姦姦物語~』や『対魔忍アサギ~決戦アリーナ~』といったゲームが代表格のようで、ともに人気が高いとのことだ。両作品とも、パッケージの美少女ゲームとしても独自性の強いコンテンツ。「こうした作品は、やはり普段から作られているメーカーさんならではですね」と林氏は語る。

では、DMMオリジナルのタイトルはどうか。
「今年の人気は『神姫PROJECT R』。こちらは『神姫PROJECT』という一般ゲームのR-18版になります。昨年来の人気となると、『FLOWER KNIGHT GIRL ~X指定~』になります。そして今注目しているのが『蒼の彼方のフォーリズム -ETERNAL SKY- X-EDITION』ですね」

『蒼の彼方のフォーリズム -ETERNAL SKY- X-EDITION』はTVアニメ化されたことでもおなじみの美少女ゲームタイトル。そのIPコンテンツとして他プラットフォームでのスマートフォンアプリを準備していたが、よりユーザの親和性の高いDMM GAMESにて運用を開始した。

「他社プラットフォームでサービス中止になったものでも、行けると判断すれば改めて交渉します」と林氏。しかし、本来であればメーカーに対してもっと積極的に働きかけていかなければならない、とも語る。

「理想を言えば、パッケージ作品の企画段階から参加して、ブラウザーゲームも並行して企画していきたいと考えています。このようにDMMゲームズと美少女ゲームメーカーが手を組むことで、より効果的に販促も打てますし、販促展開も重層的に行える。パッケージとブラウザの両方のユーザーに、同時にアピールできることは影響が大きいと思います。今後は、そのあたりも積極的にやっていきたいですね」

 DL販売サイトと母体を同一にするからこそのコラボ展開を

ヤンデレというテーマの斬新さに、運営の上手さも加わり、人気作と成長した『ドキドキ★病んでミック』

にじよめの18禁展開は、「にじよめ夜の部」として行われている。その中でも人気なのが『ドキドキ★病んでミック』。抜けた人気になっていると栗原氏は紹介する。

「ヤンデレというテーマの斬新さと引きのあるビジュアルで、他作品との差別化に成功しました。運営側のイベントなどの努力もあって、ユーザーが自分のペースでゆっくり遊べるゲームになっているのも人気の要因だと思います」

さらににじよめでは、今年美少女ゲームブランドでぼの巣製作所が開発した『神楽大戦』を展開。もともとブランドにコアなファンが多かったこともあり、好調だという。

「でぼの巣製作所さんが自社作品への愛が深いことはファンも知っているので、ソーシャルゲームでも安心感があったと思います。さらにブラウザーゲームででぼの巣製作所を知った人が、DLsite.comでゲームを買うという流れもできたようです」(栗原氏)

そして栗原氏が今注目しているのが『ヒロイン絶滅計画』。ヒロイン悪堕ちがテーマだが、このテーマは美少女ゲームでも一定のファンが存在する。また、ヒロインものもパッケージゲームに多いジャンルなので、メーカーとのコラボも積極的に取り組むという。

「本来であればブラウザーゲームとパッケージゲームのユーザー層は大きくかぶってはいません。だからこそコラボできることで、普段はお互いをあまりプレイしないユーザーに知ってもらうことができます。その意味で『神楽大戦』と『ヒロイン絶滅計画』は注目ですね。DLsite.comと連動できるのも、大きいと思います」

 ブラウザーゲームに始まり、より幅広い展開からユーザー確保を

2016年のPCブラウザーゲームについて話を伺ってきて出てきたのは、DMM GAMES、にじよめ共に、美少女ゲームのDL配信を行っているからこその今後の展望だった。本来ならユーザーがあまりかぶらないといわれる二つのジャンルを、有機的に結合させることができるのが、DMM GAMESとにじよめの強みであろう。

そんな中で、DMMはさらなるステップアップを企画する。
「東京ゲームショウで発表したコーエーテクモさんの『DOA』のPC版のように、今後はアプリゲームをPCブラウザで遊べるような移植を考えていきます。『Imperial SaGa』も展開していますが、DMMゲームズも5周年を迎えて、スクウェア・エニックスさんやコーエーテクモさんのような大手パブリッシャーと組めるようになりました。海外も含めて、その部分を厚くしていきたいと考えています」(林氏)

もちろん18禁ゲームも今後を考えている。
「18禁ではゲームのクオリティーがどんどん向上しています。ゲーム性、ゲームの運用能力、ユーザーへのフォローがどんどん重要になってきていて、開発費も開発期間も、一般のブラウザーゲーム、アプリゲームを作るのと変わらない状況です。現在、そういった部分でユーザーニーズに対応できるゲームを開発中で、来年春に発表できるかもしれません」

そして林氏は「サードパーティーへの開発協力も進めていく」と言う。
「DMMからサードパーティーへの情報共有やクリエイターの紹介も行っています。その結果、ヒットしたのが『アイドルうぉーず』。これからも、このような協力体制は構築していきます」

DMM GAMESスタートから5年。「ユーザーさんに楽しんでもらう中で、DMMも成長してゲームの質も向上してきました。今後もユーザーさんに楽しんでモラルゲームを送り出していきたいですね」(林氏)
にじよめも精力的なゲーム展開を計画している。

「『超銀河船団∞ -INFINITY-』を筆頭に、一般のPCソーシャルゲームを数タイトルスタートさせます。現在は夜の部、R-18がメインですが、今後は一般ゲームも増やしていく方向になります。また、『りっく☆じあーす』が11月にAndroid版をスタートさせます。データが共有できるので、自宅ではPCで、外出先ではスマートフォンで遊べるようになりますよ」と栗原氏。『超銀河船団∞ -INFINITY-』については、IP展開としてコンテンツを横に広めていきたいとのことだ。

「18禁のゲームだと、告知メディアが少ないのが現状です。なので一般ゲームを広げて、にじよめに遊びに来てもらえるようにすることが大事だと考えています。そうしたユーザーさんの中で、夜の部のほうも遊んでもらえるようになるといいですね。その意味では、18禁のゲームを告知できるメディアが増えてくれることにも期待します。『GAME HEADLINE』さんにも頑張ってほしいですね(笑)」