PCゲームのひとつのスタイルとして、今やパッケージゲーム以上に多くのユーザーを集めているPCにおけるソーシャルゲーム。その多くはキャラクター性をセールスポイントのひとつとしており、パッケージの美少女ゲームなどとユーザー層が近しいタイトルも少なくない。そんなPCソーシャルゲームが、2016年にはどのように動いていったのか。今年も1か月余りを残すのみ。PCソーシャルゲームを多数展開しているDMMゲームズ、そしてにじよめに、この1年を振り替えつつ、今後の展開などについてもお話を伺った。


 スマートフォンとの両輪でも、PCゲームユーザーにリーチする作品展開

事前登録が20万人突破した『ガールズシンフォニー』。今後に期待がかかるDMM GAMESオリジナル作品だ。

DMM GAMESの登録者数は、現在約1700万アカウント。「2016年も右肩上がりに増えています」と語るのは、DMM.comオンライン事業部企業営業本部の林研一本部長。DMMゲームズでは、ユーザーベースとしてPCユーザーが多いことから、これまでPC向けのゲームを中心に展開してきた。しかし、2016年はDMM GAME PLAYERを使いスマートフォンアプリをPC版として配信することも可能になった。

「その他の人気作を見ると、オリジナルであれば『ガールズシンフォニー』です。現在事前予約を受け付けているのですが、すでに20万人を突破しました。IPものですと『ラグナストライクエンジェルス』ですね。やはりキャラクターイラストの可愛いものが人気です」(林氏)

また、スマートフォンアプリでの展開も精力的だ。こちらで主力になっているのは韓国で開発された『オズクロノクロニクル』や、中国製の『三国ブレイズ』。林氏は、こうした海外ゲームの買い付けも精力的に取り組むと言う。

「韓国や中国のゲーム開発は、ハイエンドユーザー向けのゲームにとても強い。また、イラストレーターや主題歌などでは、日本のクリエイターを起用したがってもいます。彼らも日本市場には注目している。そんな作品を日本で紹介するプラットフォームとしての役割も、DMM GAMESで考えています」
このような取り組みを進めているDMM GAMESだが、最近のPCブラウザーゲームの傾向には、どういったものを感じているのか。

「全体の流れを見ると演出面での発達が大きい。そこにお金をかけている印象があります。IPものとはいえ、単にキャラクターが可愛いければいいというのではなく、そのゲームの世界観やキャラの背景にあるものにまで注目されています。特にキャラクターの声というのは大きな影響力を持っていますね」(林氏)

その中で、PCとスマートフォンアプリの両輪での展開を行うDMM GAMES。そこにあるのは、「DMMはパブリッシャーだけでなくプラットフォーマーでもある」という意識付け。だからこそ、他社が開発した優秀なゲームを、DMMというプラットフォームに持ってくることも大事と林氏はコメントする。それが結果として、DMM GAMESの取り扱うゲームの幅広さにつながっていくのだ。

「ゲームを遊ぶユーザーにとって、スマートフォンアプリは当たり前のフォーマットになっています。それでもPCブラウザーゲームが終わったかというと、そんなことはありません。ブラウザーゲームには独自のユーザー層があって、DMMゲームズはそこにリーチしている。そこにいるユーザー層は課金率も高いですし、DMMには広告力もあります。さらに言えばR-18への展開も望める。そういうところを強みに前進していきたいと思っています」

 キャラ人気に加えて、一ひねり加えたこだわりやゲーム性が魅力に

近日スタートする『超銀河船団∞』。今夏には発表会も行われ、にじよめの力の入れ具合が伝わってくる。

株式会社エイシスが運営するにじよめは、一般である昼の部とR-18の夜の部の二つを展開している。
「今年はこれまで以上に、ブラウザーゲームを遊ぶならPC、アプリゲームならスマートフォン、というすみわけは進んだと思います」と2016年の傾向を語ってくれるのは、オンラインゲーム事業部の栗原純一氏だ。栗原氏は、スマートフォンアプリとPCブラウザーゲームのユーザーの違いを、次のように考えている。

「PCユーザーのほうがゲームに対するモチベーションも高く、課金をしても遊んでくれる人が多い印象ですね。スマートフォンゲームユーザーは手軽に遊びたいという人が多い。さらにアプリゲームはグラフィックなどのクオリティーが独自に高まっているので、スマートフォンゲームだけを遊んでいるというユーザーも多くなっているように思えます」

しかしにじよめは、最初スマートフォンゲームとしてスタートしながら、近年PC展開をスタート。その結果としてユーザーは増えたという。
「スマートフォンの人気アプリやDMMさんに比べたらまだまだですけど、右肩上がりに増えてはいます。最近のブラウザーゲームはパッケージゲームに近いクオリティーを持っているというのも、ユーザー数増加につながっていると思います」(栗原氏)

そんなにじよめの2016年注目ゲームは、近日リリース予定の『超銀河船団∞ -INFINITY-』。栗原氏も本作には期待を寄せている。
「コンシューマー作品では難しいといわれるSF作品ですが、キャラクターデザインや声優など、"ちょっとやってみようかな"と思える要素は多数盛り込みました。基本無料だからこそ、SFという一見とっつきにくいジャンルでも成立する。また、怪獣やロボットの擬人化など、30代~40代にリーチしやすい要素を盛り込んだのも特徴です。他社を見ても、SF作品は今後増えそうですからね。期待しています」

また、マニアックな設定のゲームが人気であるのも、にじよめの特徴のようだ。
「現在運用中のゲームでは『りっく☆じあ~す』が人気です。これは自衛隊の駐屯地や装備の擬人化なのですが、戦術SLGとして人気なんです。パソコンベースならではの遊びごたえのある作品ですね。また、運営会社も力を入れて作っています。作り手のこだわりがユーザーの高い支持につながっているのではないでしょうか」
単純なファンタジーや戦国もの、わかりやすい擬人化ものではインパクトが薄くなってきている、と栗原氏。

「もともと、にじよめはキャラクターものに強く興味を示すユーザーが多かったのですが、その中から一ひねりしたような作品が人気になってきているのが、最近の傾向ですね」

【後編は11月23日更新予定】